罅/星染
 
かいコーヒーを飲むあいだ、なにもかも不安定だと思う、筋力がなくなって、重力がなくなって、そうしたら私の体もばらばらになるという点で、私とコーヒーにはなんの違いもない 愛にできることはもうないのに、世界は愛が全てで、つまりは無重力だった 貧血で倒れたね 心配だった、きみのこと、君の立つ地面が君を、欲しがっていた。飲み込まれる、いつかは君も私もあいつも、土に飲み込まれて腐った肉の塊になる わかってる、だから星になれるなんて嘘をついたんだ私たち、私たちは本当は、星の子供になりたかった 同じように光って死ねたら、冷たい肉塊にならずにすんだ きみの背中に翼が生えたこと ひどい悪夢だ グロテスクだった 痛いと
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