<詩「あるなんでもない日」、「白き神の抱擁」、「婚礼」、「カフェ」「君の来る日」、「山城合戦」、「冬.../タカンタ、ゴロキ、そしてパウロ
なら大
丈夫ですよ」。暫くはお互いに共通の話題を探しあった。ひとつの話題を話し終えると、また彼女は
想像力と知識の豊かさを表すように新しい話題をすぐに見つけてきた。この町が必ずしも豊かではな
いこと、そしてここに住む少女たちは幸せとは言えないこと、但し、彼女にピアノを教わりに来る子
はそうではないなど、また、自殺した女の子がいたことを彼女は話した。窓から見える幻想的な風景
が彼女の言葉に非現実的な印象を感じさせていた。
話題がふと途切れると、彼は緊張し蒼白な顔をして話し始めた。「実は、「優香里さん、僕はとて
も大事なことを話したくてあなたのもとを訪れたのです」。「知っています」
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