<詩「あるなんでもない日」、「白き神の抱擁」、「婚礼」、「カフェ」「君の来る日」、「山城合戦」、「冬.../タカンタ、ゴロキ、そしてパウロ
との喜びを、彼女は彼に語りかけた。彼もピアノを弾くので、彼女の感慨は
理解できた。その後、彼女は彼に尋ねた。「由梨絵さんたちは幸せに暮らしてらして」。彼は少しの
沈黙の後、「そうですね、おそらく」と答えた。
彼は、ふと窓を見た。雪が降っていた。その後、彼は彼女を見つめ、初めて会った日よりも彼女が
美しいことに気が付いた。肌の白さ、漆黒の髪、眼の輝きなど、そして彼女の美しさは彼を少し慌て
させた。
彼女は、彼の動揺を感じると、美しい笑みを浮かべて、彼の驚きを鎮めるための話題を探すかのよ
うに彼に言った。「お姉さんは、まだ施設におられるのね、お元気かしら」「ええ、そのことなら
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