生きてきたこと:Part 2.1/由比良 倖
 
、そもそもそれまで無かった感情が、やっと顔を出した感じだった。痛みが欲しくなって、ネガティブとは言えど、何かを欲するのは久しぶりで、辛くなると酒を飲まずに、腕を切った。しばらくの間、ハサミやカッターで腕を切っていた。でも、それもしたくなくなってきて、朝起きると、「ああ、生きてる」という充溢した感じを覚えるようになった。倒れた時、僕はてんかんを発症していて、時々、今も倒れそうになる。気を失う。

 そして、3月、4月、生きていて、今は5月も終わりに近い。僕は、自分では信じられない、超人的なくらいと自分を評したくなるくらい、回復した。世界を、美しい、と感じるようになった。
 まだそれは急な変化な
[次のページ]
戻る   Point(4)