痴情のもつれじゃありません 平川某氏と私のあいだに起こったこと、あなたはわたしのネタになる宣言等/田中修子
、数日後には「あの人がどんな顔だったかわからない」となってしまう。「防衛」という機能なのだそうだ。
文章を書くという力を取り戻し、自信をつけ、その二点は思い出しても思いださなくてもいいように、少しずつ時間とその他の経験が柔らかい包帯のようになって、やけどをいやしながらかさぶたになって剥がれ落ちる手助けをするように、慎重に慎重にセッションを行っている最中の出来事だった。日中の抗不安薬は、心臓に負担にかかるものに変わった。
それでも、それからもしばし、「こんな誠実でいい人が私に何かするなんて、私の方に原因があるはず」と連絡していたりした。
カウンセラーもどきからクライアントもどき間の、セッ
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