ラーメン奇譚/腰国改修
 
年に手渡した。その時に気がついたが、少年の指も何本か欠損しているのが分かった。相変わらず大騒ぎは収まらず、これまたいつの間にか警察官が何人か加わっていた。

さっさとラーメンを食べて退散しようと思っていたら、先ほどの少年がラーメンを持って来て目の前にドンと置いた。よく、ドラマなどで運んで来たラーメン鉢のスープに親指が入っているというシーンがあるが、少年はそこまでがさつではなかった。何度か咳をしてみすぼらしさが幾分増したかのような少年は奥に消えた。

早速、ラーメンを食べようと見たところ、チャーシューでも焼豚でもないソーセージらしきものが入っていた。まさかと思ったが、箸で摘まもうとしたときに
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