砂浜の言葉/腰国改修
がとう。
君は小さく首を振った。砂浜に打ち寄せる波の音にかき消されるぐらいの小さな声で、君はすごく重要でとても心に響く言葉を呟いた。夜が好き。柔らかな月の光も、そしてね…
※ ※ ※
君がまだ木漏れ日に蹌踉めいていた頃。こう書くと笑ってしまうかな。あのとき、君は『光が眩しい』と当たり前のこと(僕にしてみればだけれど)を言ってふらついていたね。ごめんね。知らなかったんだ。
それから君のことをたくさん知るようになってからは、二人で夜を旅したね。旅と言えば大袈裟だけど、近いとか遠いとかじゃなくて、やっぱりあれは旅だったと思う。二人とも家の人を説得したり、色々説明したりするのが
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