嘘つき/腰国改修
 
うに感じてもらえる趣向にしてあったのです。ただ、本当のところは、彼女と暮らしたいというのは嘘で、彼女と暮せば、その娘とも暮らすことになるということを分からないように隠していました。彼女はそれを知らないので、私のラブレターのような詩を真実のものと捉えて、喜びの表情で甘い声を出して私に話かけて来ました。それは、首尾よく朗報に接したのですが、実は私はあなたの娘さんの美しさに魅了され、出来れば生涯その成長する姿を父として見てみたい。そしていつか嫁ぐ日には心の苦しみを存分に味わいたいと、それら真実の心情を告白すべきなのかと日が経つにつれて思うようになってきたのです。私は告白すべきなのでしょうか。あの色紙に書
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