キリストとフクロウ/ホロウ・シカエルボク
 
くなった。それはまるできちんと聖地された植林のようだった。平坦な地面の上に、等間隔にすらっとした脚のような真っ直ぐな木々がまるで指示を待つ軍隊のように整列していた。(おそらく俺は来てはならないところへ来てしまったのだ)そんな気がした。誰かの森だとか、土地だとか、そういうことではない。そこは人間が訪れてはならない場所だった、そんな気がした。しばらくの間そこに佇んでいた。それ以上の進行を許されようが許されまいが、先へ進むつもりだった。けれどひとたび油断すると、その場所に飲み込まれてしまいそうな気がして、なかなか踏み出せなかった。雨が降っているようだった。頭上で雨粒が木々の葉を鳴らす音が聞こえていた。地
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