透明なナメクジと金の飾りに、骸骨のお姫さま/田中修子
 
ボロの衣を纏った、ずいぶん気楽そうな顔をした痩せこけた若者が通りかかりました。
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 若者のうしろには何十もの白い襤褸切れのように骸骨どもが幾重にもしがみつき、肩に噛みついては血を垂れ流させております。その骸骨どもの目は、うつろでうらめしく、虚空を睨みつけてはヒュウヒュウと風の鳴るようにうめきます。それなのに若者はふしぎと飄々として歩いておりますが、すでにからだは痩せこけてしまっていました。骸骨のお姫さまは、若者の背負っている数多の骸骨をみて、ヒュウっと息を飲みました。
(このまま嘆いているばかりでは、わたしもきっとあのようになり下がってしまう)
 若者の方も、自分には一生手に
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