透明なナメクジと金の飾りに、骸骨のお姫さま/田中修子
ないので、無視せねばならないのです。
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ある日、お姫さまは、むじゃきにうしろから忍びよって、奥方にギュウっと抱きつきました。
奥方は虫をたたきつぶすように、とっさにお姫さまに悪い魔法をかけてしまいました。
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のこぎりのような歯のついた、大人のこぶしほどもある、奥方とお姫さまにしか見えない透明なナメクジが、お姫さまの全身に食らいつきました。お姫さまの肉はむき出しになり、血はからだを染め上げます。
お姫さまは透明なナメクジを、必死でふりはらいます。
お城の台所に飛びいってめらめら燃え上がる青い火で熱したお湯をあびて皮膚はずる向けになり、兵器庫に飛び
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