透明なナメクジと金の飾りに、骸骨のお姫さま/田中修子
飛びいって銀に光るつるぎを突き刺して腕や脚に真っ赤な穴があき、とうとう城から転がるように抜け出して村にいって虫用のまっ黒な毒薬をあびては呼吸がつまります。
?
やがてお姫さまは、美しかった衣物もぼろぼろになって、骸骨のお姫さまになってしまいました。
?
領主と奥方は、骸骨のお姫さまのからだと同じ分の重さの金の飾りを背負わせて、兵士たちとともに国境の緑深い森へと連れて行きました。
出立前に、ばあやだけがこっそりと近づき、
「あなたさまがお病気なのではないのです。どうぞ、ご無事であってください。わくしの命が御守りとなりますように」
と涙ながらにささやいた声だけが、お姫さまのクルミの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)