透明なナメクジと金の飾りに、骸骨のお姫さま/田中修子
 
死体がはこびこまれ、鳥に啄まれておりました。
 そう、旅から戻ることのできた多くの子が、親を恨みこの森に同じように追放したのです。
 そのいたましい光景は、脳裏に地獄絵図のようにやきつきました。
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 (わたしは、おかあさまとおとうさまを、愛している。いずれこうなるのならば、いっそ)

 血のような赤い毒茸を、そっと齧ります。
 骸骨のお姫さまは、倒れ伏しました。
 そのとき、ばあやにもらった胸の中の金色の火花がはじけ、からだに染みわたって毒を払い、ふしぎな蛍のように揺れて、森のゆきさきを示します。

 城では、ばあやは羽がおちるようにしずかに倒れ、息を引き取りました。顔には満
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