侵食と同化/「某日」に寄せて/いとう
ろうか。
ここには、そうやってやりすごすしかない不器用な姿がある。
器用にそのものと同質になることができず、
とりあえず皮を被ってそのフリなどしてやりすごす。
あるいは、
「今はそのようにしているがそれは私の本質ではない」という意志表示のための。
ここで言う“作為”とは、そのような、不器用であるが故の意志だ。
同化についてもう少し。
同化は視点を変えれば、自身の強制的異化であり、
それにはあたりまえのように苦痛を伴う。
(もちろんその苦痛より耐え難い苦痛から逃げるために「同化」はある)
その苦痛は、
> かんがえないように
> かんがえないようにし
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