心の天涯孤独/あおい満月
あふれてくるだろう。あなたという私の
なかにあるごくわずかな死にたいという願いの
底にあるみなぎるほどの生きていく希望を血に
まみれた両手であなたとわかりあえたら私はも
う、風を犠牲にせずに済むはずだ。あなたがい
るなら。ともに生きていくと誓いあったなら。
けれどもしも、私からあなたが?がれていくと
き、引きとめようとする私の意志が陽の光の光
とともに溶けていくだろう。私にはもう、あな
た以外の拠り所などないのだ。ましてや捌け口
など。風を生みだすのはあなたと私。ふたつの
世界。その先に続いていく未知の鼓動のために
ふと、昔のことを思い出した。私は何故か、誰かを泣かせる
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