看護婦のあなたへ/宇津田詩能
 
この手紙はアル中患者の僕から
看護婦のあなたにあてたものです
手紙に宛名は書けません
送り主の名もかけません
それは僕があまりにも
恥知らずな恋をしてしまったからです

あなたと初めて話した時
音楽の話をしましたね
あなたは桜の季節に
働き始めた新米看護婦
毎日毎日覚えることがたくさんあって
大変そうなのに
そのかわいらしい口元に笑みを絶やさず
綺麗な瞳を輝かせて
走りまわっているのです

届かない手紙
あなたがそんなに輝いているのは
きっと恋をしているからでしょうか?
届かない手紙
その答えを聞くこともできない
臆病者の僕なのです
届かない手紙を看護
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