ライフ イズ ビューティフル/涙(ルイ)
 
嬉しかった
このときの出来事がなければ あたしはいま 描くことをしていなかったと思う
不器用な自分がコンプレックスだった
運動もキライだった
走るのも遅いし ドリブルもできないし 自転車にも乗れなかった
運動ができないことはあまり気に病んではいなかった
そんなことができなくても 歩くことさえできれば
なんとかなると 強がりじゃなしに そう思ってた


友達作りは下手くそだった
というか どうやったらいいのかまるで見当がつかなかった
周りがどんどん誰かと親しくなっていく中
あたしはただ ひとり呆然とそれを眺めてた
輪に入ることができなかった
仲間に入れて ということもで
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