ライフ イズ ビューティフル/涙(ルイ)
 
もできなかった
臆病者だった 嫌われるのが怖かった
実際 嫌われてると思った
自意識の強い子供だった


早く大人になりたかった
早く大人になって ひとりで生活できるようになりたかった
家から早く出たかった
家にはどこにも息をつける場所がなかったから
大の字になって眠れる場所がほしかった
別になりたいものなんて なにひとつなかったけれど
それだけが唯一 なりたい自分だった
なれると思ってた 大人になればなんにでもなれると
いま考えれば 浅はかにも程があるってものだけれど


大人になっても あまり変わらなかった
いつまで経っても 他人との付き合い方を学ぶことがで
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