春の航海/青の群れ
歌う汽笛は下手くそだった
生命波打つ、きみどり色の絨毯の上を航海する船
柔らかな日差しが撫でるように氷を溶かすから、行き先はどこまでも広がる
細かく枝分かれした新芽、太く根を張って、遠くを見通す高台になって
土を踏むことを新鮮に思うようになったことと
桜の木の下にヒールを2センチほど埋めていること
昔の背くらべの印、樹の皮の傷あとをなぞってみたことと
乾いた唇の上を春色に彩っただけですこし幸せになったこと
小さな芋虫が殻をまとっているのをほどくように、変化を進化だと思いたい
草の匂いと、その他のいろんなものを、生ぬるい風がたくさん連れてくるけれど
そのうち何割を
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