エリカの缶/もっぷ
へかもわからない不思議な贈り物。まず、エリカはその風車のカードを、彼女にとってとても大事なものをしまっておく古いパイン材の机の一番上の引き出しにそっと仲間入りさせてみて、やがて思い返し、ちいさなキッチンへ行って、もう食べてしまった後の、けれどあまりに惹きつけられるロゴのデザインと、描かれている男の子と女の子の絵が気に入ってずっとそのまま棚に置いてあったクッキーの缶のなかに、あえてふわっと入れてみました。エリカは不思議に穏やかな心持ちを感じて、その缶を持って机にもどり、絵本の山を一つだけ床に下ろして机の上に場所をつくると、元クッキー缶を載せました。かならずこの缶はカードでいっぱいになる、エリカにはそ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)