うみのほね/田中修子
ワンピースを着てみると、彼は私の髪を優しく撫でた。
その日の夜、私たちははじめて混ざった。それは完全に、二人が混ざり合う行為だった。私も彼もとても上手だった。私は彼になり、彼は私になった。ぐるぐるしてよく分からなくなると、優しい水色とピンクが見えた。それははじめマーブル模様だったのだけれど、どんどん細かく砕けて混ざっていった。綺麗な藤色になった。それは夜明けの色と同じだった。いつ始まって、いつ終わったのかもよく分からなかった。気が付くととても静かな顔をして彼が私を見ていた。手をつないだ。温かかった。一緒なら生きられる。
「李、っていうんだね。……私は、私の名前」
私の名前は、なん
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