うみのほね/田中修子
 
のか、中学校の子からの連絡で、学年単位で同窓会をやるのだという。そこに李もいるんでしょ、と彼女は言う。
 どうやら彼は李という名前で、私は同じ中学校の、おなじ学年だったらしい。ただ単に、彼が中学校に通わなかったというだけで、私たちは人生の多くの時間を無駄にしたのだった。彼は行きたくないと言った。私は行ってはいけないような理由は何もなかったので、参加することにした。
 二人で私が同窓会に着るものを探しに行って、結局いつもビーズ飾りを作っている陽に焼けた老女から、彼女がまだ花びらのように柔らかな皮膚をしていた若いころのとっておきとして着ていた白いふんわりとしたワンピースを譲り受けた。部屋でそのワン
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