棄てられたモノローグたち/宣井龍人
 
まらないどうでもよい奴というわけだ

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兎が月夜を飛び越える
夢が野原を跳ねている
私は地を這う亀
夢を見ていては駄目だ
今日も一歩を踏みしめよう

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そんなこと言ってももう疲れたよ
と身体が言う
でも働かなければ食っていけないよ
と脳が言う
あんただって指令がめちゃめちゃだよ
と身体が言う
脳は苦し紛れに黙り混む
結局みんな反乱寸前だった

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私は道を1歩1歩踏みしめている
休むことなく昼夜を問わず歩いている
決して振り向くなと言われている
それが歩き続けるルールだそうだ
だけど私はさっき約束を破った
もうどうでもいいやと思ったのだ
足跡
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