一度脱いで、またはく/由比良 倖
天井をぼんやりと眺める。何日寝てないか数えようとした。朝、と、夜、を何度繰り返して…と考えていると、朝と夜が、太陽と、月が、地球の周りをぐるぐるぐると回り出して、僕はそう言えばこれは夢で、だから僕は寝ていて、だから考えなくて良くて、あっちの部屋にはたろやんがいて、と考えると安心した。カレンダーの上の猫が昨日とは逆位置にいたような気がした。ベランダに出て煙草を吸った。たろやんが来たとき、たろやんは煙草をたくさん持ってきていて、でも僕はたろやんが煙草をものすごく嫌いなことを知っていたから、驚いて、たろやんが、家に住まわせて欲しいの、というから納得して、え、いつまでと聞くと、死ぬまで、と言うので、どうぞ
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