またね!/もっぷ
私を引き受け、母は私の見知らぬ人間と?ぼくの育った家?で出直して、会ったことのない、?ぼく以外の?こどもを持っている。「母さんがしあわせならそれでいい」それが父の口癖だったし、母に離婚を迫られた際にも率直に母に向けて同じ科白を置いて、夫婦の間柄に関する何もかものことが父のそのひと言で決まったらしく、翌朝には荷物をまとめ終えた父は中学生になったばかりの私を連れて家を出て、まずはアパート探しからのやり直しの人生を私には葛藤や愚痴などこれっぽっちも聞かせずに(父のことだから)ほがらかに歩き始めた。
私が大学進学を、こどもなりに仕方のないことだと諦めていた高一の夏休み、母から一通の手紙とそして通帳
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