またね!/もっぷ
人ともが妻に似ていた。顔つきも性格も。丸顔で童顔で、おさない頃から穏やかな二人だった。静かに、家族四人の夢のような日日はまた鮮やかにも、瞼に焼きつくようにも過ぎてゆく。すべてを?本当に?残そうとするかのように私はいつしか常にスマートフォンだけでなく、デジタルカメラも持ち歩くようになっていた。コンパクトな手軽な機種ばかりではあっても選ぶ時にはいつも慎重に、二代目、三代目、そしていまので四代目。妻は「まだ使えるのに?」という顔をしながらも家電量販店には四人で出かける、夕陽も朝陽も中学校に上がる前にすでにそれぞれが自分のカメラを持つようにもなっていた、やがて高校一年生の夏、アルバイトをがんばった夕陽はつ
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