またね!/もっぷ
 
あたたかな祝福を湛えた笑顔とともに告げられた「確かです」聞き返しては念を押されての今日の診察だったとのこと。姉さん女房の体を思えば、そろそろ最後のチャンスでもあった、待望のわが子。私の、私たちの、私と嫁さんとの!

 いつかしら?実在した一人の女性と、忘れ得ない「あの日日」とをいつかは活字にしておきたい?という熱病から抜け出ることができていた私は、これまでをともに過ごしてきた十余年を机の引き出し奥深くにしまって、そっと遠ざかっていった、ごく自然なことなのだと自分に言い聞かせて。

 夕陽の次が朝陽。二人とも男の子。長男が夕方に生まれ、二年後の次男が朝のこどもだ。「ゆうひ」と「あさひ」二人と
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