またね!/もっぷ
 
い、たとえば神と呼ばれる存在があったとして教えてほしい、これは正しいことなのですか。その答をぼくは知りたい。職場で仕事に、対人のストレスやよろこびに忙殺されて、彼女のことを思い出さない日もあると告白する、この四百字詰め原稿用紙に向かって、ぼくは(私は)金曜日、いつもの帰宅後、週末への関所で、ぼくはぼくを(私は私を)守らなくてはならないから、言い訳でも言い逃れでもなくてとどこかへ向かって赦しを乞いながら『……末期の痛みゆえにぼくから(すら)立ち去ることを選んだ一人の女性を、初恋だったあの遠い日日を想っていると』背後で声がして現実に引き戻された。嫁さんだった。学生時代の、若さだけがすべてで実質無力だっ
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