またね!/もっぷ
 
得たいくつかがあっただろうか。いつもぼくはここまで思い返した時にぼく自身から逃げ出したくなる。そしてそれでもこの生涯をぼくは彼女にだけ費やすことがないであろうこと。歳月はまったく残酷だとの予感ではなく確信に押し潰され流されるがままに、あたらしいあしたは訪れ続ける。「またね!」?最後の?……』気配の明るさで目覚めると、今日だった。また、今日だった。日常は誰にとってだって闘いだろう、例外はない、とぼくは決定すると布団から這い出して洗面を済ませ服を選び(選ぶほどは持ってはいない)何事もなかった、つまり?彼女?はもともとが単なる架空の人物であるかのような顔をして気がつくと電車に揺られている。教えてほしい、
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