またね!/もっぷ
かな照れくささとを滲ませながら「おまえの名義だ、おまえが確かめなさい」父が言い終わらないうちにぼくは(私は)見つけた、こどもの小遣いの桁ではない額面の「ぼくの名義」のお金。驚きを隠せずに、今度こそは母からの手紙をゆっくりと、深呼吸をしてから読み直す。「……これはあなたにと主人が積み立てたものです、使い道は自由だけれどできれば大学進学のために使ってほしい、そう言っています。あなたには私はもう何も言う権利はありません、でも、これだけは。もしも、もしかして、また。私の太陽へ」そう結ばれていた。母が「はるか」と私を呼ぶ声が聴こえた気がした、いくども聴こえた「はるか」懐かしい母の声で。父からの、「返事を出す
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