レモンジュース・ダイアリー(1)/由比良 倖
 
下に降ろした。僕は一体何をしているんだろう? 僕は一体何をしているんだ?
「なあ、ぼくは生きていていいのかな?」
「駄目って言って欲しいの?」
透子の髪が白から淡い紫へと滑らかに変化していった。僕はそれから目を反らして、引き出しの中からCDを出して、プレーヤーに差し入れた。
雨音と、風の音。その向こうに光が見える。光。近付くほどに暗くなり、遠くで異様に輝きを増す。それは一方向からやってくるのだろうか? いや、違う、僕は影と、光を発するものに囲まれている。雨が降っていて、外はよく見えないけれど、これは間違いなく、本物の雨だ。ということは僕は今、地上にいると言うことだ。光が覆い被さってくる。僕
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