Moon Row Wallker 異聞/アタマナクス
愛と死の狭間に狂い果て
星を訪ね月に導かれ
夜の街々を流浪する男
Moon Row Wallker
樹々を揺らす風に知らされる
はらりと落ちた葉に知らされる
足跡に撥ねる砂に知らされる
裸の君の喜怒哀楽を
道中男は全てを捨てた
山吹色の長い外套
24金の菊のさかづき
履いていた真っ赤な靴
群青色の肩掛け鞄も
そうして全てを捨てたから
これから全てを手に入れる
荒んだ街路樹の精霊
坂の上にある聖域の森
手向けられた花束の残像
砂粒のひとつひとつの声
猫に憑依するまどわしびと
Moon Row Wallker
冒険の果てに魔に落
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)