姫たちのお茶会 上/るるりら
 
ハイバックの助手席じゃあ
帽子のツバが すこしむずかしい
すこし雨滴のあとの残る車窓から見える景色は
映写機のように枠のある動画
だけれども携帯の電池なんて いらないよ
幸運にも にわかに咲いた桜さくら さささと 風に舞うのを 
仰向けで空を見ているレンギョウも 菜の花も 
谷合いの町のいたるところで咲く
しばらく 首をかしげたりすると腹痛になっちゃいそ
まるで押入れにとじこもる子どものように
腰をかがめていたのだけれど ついに到着

霧の夜でリンスした髪を 自由にすることにした

車を降りたら
傘のようにふくらむスカーチョは たふたふ
小ぢんまりとした変身願望が
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