Miz 15/深水遊脚
が豪快に笑った。最近では珍しいかもしれない。
「いまあのしごきを地で行くのは、柏木くらいですかね。俺はもうしんどくてダメです。」
「そうか?島崎と度会の愚痴を、三津がよく聞いて慰めているらしいぞ。」
幸政さんが悪戯っぽく話し続けた。
「うわ、あいつら。」
「くれぐれも、今は優しくしてやれよ。お前も今日は早く帰って休め。」
「そうですね。あいつら、可愛がる前に十分休ませてやりましょう。俺は軽く汗を流して行きます。」
幸政さんが笑ったまま見上げた。お前にしては意外だな、と目が言っていた。
「ああ大丈夫。本当に軽くです。こういうとき無理をするようには、身も心もできてい
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