Miz 12/深水遊脚
 
表明として、聞くだけ聞きなさい。以前のレグラスは記憶の消去までしていた。でもいまのレグラスは、この記憶の消去をするのを拒否しているようなの。」
「俺はレグラスが記憶を消さないものだと思っていた。以前は記憶の消去までしていたのか。」
「代替わりすれば、考え方も変わる。私たちにとっては神様も同然だから、レグラスがそう決めたらそれに従うしかない。神様というより、気紛れな女の子みたい。可愛いと思う瞬間すらある。そんな部分だけは、先代から変わらないのにね。私の印象だけれど、思念の糸を一つに束ねるというよりも、個々の思念の糸がどうしたいのかに寄り添うようになった。まあ世界の歴史と同じような変化かもしれない
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