初対面のふり/深水遊脚
 
、4杯分くらい入ったところでドリッパーを取り去った。最初の一杯を小さなカップで飲んで、初対面の人に会うそれなりの緊張を和らげた。焼き上がった鶏をローズマリーポテトの横に盛り付けてすべての料理は完成した。

 6時を少し過ぎてインターホンが鳴った。ドアを開けて中にいれた。

「こんばんは。あかりです。よろしくお願いします。」
「………」
「………!」

気付いたのがほぼ同時だった。彼女は高校のときのクラスメート、西田郁子。人気のある派手目の女の子のグループに属していた、少し控えめな子だった。あまり接点がなかったのでよくは知らない。僕は僕で、中の下くらいのグループに属していたし、友達が
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