Miz 10/深水遊脚
何か話したがっていたが口ごもっていた。先のことを気にしているのだろう。政志は少しも悪くないというのに。うまい飯屋でも教えてくれ、とこちらから関係のない話を振ってみた。とたんに饒舌になった政志の話に間城と三津の顔も緩み口も滑らかになった。
俺のやり方は特殊能力に頼りすぎずに基礎となる身体能力を徹底的に鍛えさせる。そのためか組織は軍隊のような規律ができている。俺が意図したところではないのだが、それに馴染む者がやはりよく続く。政志も晴久も、およそそれに馴染む性格ではないようにみえて根性はあった。上に立つ者として下になめられないだけの能力を鍛え上げ、相応しい振る舞いが出来ていたのだ。 ただこの規律
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