Miz 10/深水遊脚
 
どうかもわからない味方となる人の能力を、まるで味方を害するかのように考えて防御しようとするなんて、賢明な幸政さんらしくない、と言っていたよ。」

反射的にいろいろ言いたくなったが話し相手は政志じゃない。レグラスの言葉を全部把握するために、怒りは圧し殺して続きを促した。

「デクレッシェンドで減じられた特殊能力が、回復する場合としない場合、それが誰かの都合のいいように決まるはずがない。味方というのは、最初からの決まりごとではなく、作り上げて行く関係でしょう。特殊能力を利己的に使う人間を私は政志くんに教えたりしない。彼女とどのように味方としての関係を作り上げて行くか、それは幸政さんの考えること
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