還暦小詩集/宣井龍人
 
ん】
風が吹き抜け僕の心はすっからかん
木こりが樹を伐りゃぶっ倒れる僕の影
栗きんとんは正月待ってる僕の女性(ひと)
けん玉は十下くるくるぼくはくぼ
コンテンツのわからぬ僕がコンテンツ

【子供たちへ】
歳月は重く
吹く風は強く
巻き上げれる髮の少なさ
爽やかな陽射しに映るシルエット
踏んでいく子供たち
そんなに急ぐな
君たちも悲しい

【それでも僕は詩を書いている】
思えば流行とは無縁の人間だ
背伸びしても届かない
夜空の星には願い事が精々
そりゃ一丁前に恰好はつけたさ
なんてたって青春時代
ラケットのガットを強く張り
どうだとばかりの自己満足

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