還暦小詩集/宣井龍人
 

垢抜けなさはお手の物
修造君の予選を遠くで観てた
これまた似合わぬスポーツカー
泣く子も黙る方向音痴
ここぞとばかりの逆方向
指定席に乗る人もなく
怒った軽に追い抜かれる
トリ間近の寄席に潜り
一席聞いて御満悦
周りを見れば最年少
何処から見ても与太郎さ
どう読んでも作文だ
価値など何処にもあるわけない
書いている理由もわからない
無意味と言われれば無意味だろう
それでも言葉を愛している
僕は詩を書いている



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