にくしみ(要冷蔵)/竹森
 
れておりそれは素晴らしい事なのだと教え諭さられた(その度僕は嬉しくて頬がゆるんだ、ゆるんだのは決して頬の肉が腐ったからではなく)。
巨人の子宮は腐卵臭がした。子宮が腐っているのか、そういう臭いがするものなのか、巨人の子宮はそれしか知らなかったし、そもそも人間の女のあそこの臭いも嗅いだ事がなかった。
女はそのとなりで自分の爪を剥いではショートケーキのホールの側面に貼り付けていた。爪は半周分程ケーキの側面を埋めていた。とうに腐ったケーキの側面を。

彼女と竹森は交尾もせずに子を産んだ
彼女は膣から長いへその緒を垂らし、コンクリの床に赤子を引きずりながらテディベアの人形をギュッと抱き締めた(
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