にくしみ(要冷蔵)/竹森
のではあり続けながら)
君は憎しみを抱き、少し膨らんだ胸をその紙ヤスリみたいな唇に当てて、喘ぎなから母乳を与えていた。白目を剥いていた、のは僕も同じだった。
竹森は僕は君はナナは「いつまでも人を憎み続ける」と、声を上げず唇の形だけを変え続けた。
暖炉の灰をかき集めて木目のテーブルに小さな山を作った。白目を切り取って半球をその隣に並べた。電球も切り取ろうとしたが、手を切ってしまった。誰の手が切れたのか、誰も判別は出来なかった。誰の白目を切り取ったのかも、もう誰も視覚する事は出来なかった。拷問室には巨人の子宮だけがあって、僕はそこに何度も顔を突っ込まされては抜き出された。その度僕は新しく産まれて
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