詩学園の頃/朝焼彩茜色
詩学園は人工惑星にあった
右手に夜で
左手に光があった
脳と繋がれず魂のみで生きていた
詩学園に属していた僕たちは仲良しの友だった
詩薀蓄の授業は必須科目だったから仕方のない潰し時間だった
夜と光の境目にダイブする空想を七色に明けていた貴重な時間
ヒヤシンスは優れた詩人だったけれど
人工惑星の指揮室にいつもこもりっぱなしだった
そこから滅んだ地球という星を見ていた
なぜだか涙が出ると言っていた
僕には理解不可解だった
それより詩を書けよと呟いたのを覚えている
今思えば余計なお世話だった
詩学園に所属された経緯は分からない
倒置法の方が大きな足音のような
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