朝の日記 2014夏/たま
う
ほら来た、十八号だ
一夜明けて
なんとか全壊はまぬがれたけれど
卵をひとつ、庭先に落としてしまった
冷たくなった卵には
いつ孵ってもいいようなヒナの顔が覗いていた
庭の隅の水仙の傍らに埋めてやる
難をのがれた巣の中の卵は、翌日には孵化したみたいだ
三日ほど親が添い寝して
あとは、餌を運ぶだけ
夜がきてもヒナはほっとかれる
れんちゃんと夜の公園を散歩する
コウちゃんは鉄塔のてっぺんに立って
眠っているのだろうか、それとも
わたしと、れんちゃんを見下ろしているのだろうか
今はもう、化石でしかない恐竜の頭や肩には
羽根があったという
そんなこと、今ごろ
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