ぶっつけ未詩 8 (煮たヨルナ)/Giton
ナイトの魔人の姿さえ、ぼくにははっきりと見えていたのだ。
そして、学校給食に野菜の煮付けが出るたびに、これは夜菜に違いない‥ あの工場で煮られた夜菜に間違いがないとの確信から、ぼくはどうしても食べることができなかった‥
偏食だと言われても、口に入れるのは無理だった。もちろん、食べられない理由は、教師には絶対に言わなかったし、友達にも言えなかった。
もし、ぼくがヨルナの秘密を知っていることがばれたら、自分がとらえられて給食の煮付けにされてしまうことは明らかだったからだ。
ぼくは、給食のおかずを食べたふりをして、こっそりと捨てていた。いつか見つかって、ヨルナにされてしまう恐怖にさいなま
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