クラブマリノス/草野大悟2
倉岡さんとも話し合って、私が男だったって判ってもいいという結論を出しているし、私自身も一向に構わない」、きっぱりと言い切った。
結婚に対する二人の強い意志を知って思わず涙を流してしまった。二人の気持ちは店のみんなにも伝えた。
二人ほどの強い気持ちがあれば、あの時相良君と別れずに済んだのかもしれない。おそらく相良君は僕の曖昧な気持ちを見透かしていたのだろう。彼に、地元に帰って家を継ぐ、と言わせてしまったのは、僕だ。
二人がどうなっても応援しよう、固く心に誓った。
結婚式の三日前、アンナが部屋にやって来て尋ねた。
「ママ、ママはイリアの結婚式には出席するんでしょ?」
「もちろんよ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)