クラブマリノス/草野大悟2
ぶん」
「それでいいわけ」
「もちろん」
倉岡は、二回目のもちろん、を何のためらいもなく口にした。
僕は、倉岡の真剣な眼差しと真摯な受け答えに彼の人柄をみたような気がした。この人なら何があってもイリアを守ってくれる。愛し続けてくれる。確信めいたものが心の中に大きく広がっていった。
「倉岡さん、イリアのことくれぐれもよろしくお願いします」
また立ち上がって深々と頭を下げた。
倉岡も立ち上がり、
「こちらこそよろしくお願いします、健太さん。みんなを連れて是非結婚式にもおいで下さい」
僕の本名を言って頭を下げた。
その夜僕はイリアに、倉岡との結婚は君にとってベストチ
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