現場のへその緒(2)/Giton
 
ことに、ちょっと驚きました。}、自然科学的な方法になじんでいるために、その作品もまた、客観的な分析を受け入れる余地が大きいのかもしれません。

ですから、“詩”一般にまで拡張はできないかもしれないが、こと賢治詩について言えば、実験・検証的な客観的な方法で開かれてゆく可能性は、おおいにあるのではないか──と、私には思われたのです。

「馬車のラツパがきこえてくれば
 ここが一ぺんにスヰツツルになる
 遠くでは鷹がそらを截つてゐるし
 からまつの芽はネクタイピンにほしいくらゐだし
 いま向ふの並樹をくらつと青く走つて行つたのは
 (騎手はわらひ)赤銅の人馬の徽章だ」

1行目の「
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(1)