現場のへその緒(1)/Giton
で大量に買い込んで友人に配っていたという逸話があります)『心象スケッチ 春と修羅』(以下、『春と修羅』といいますw)について言うと、この“詩集”は、どの収録作品も、それぞれ特定の時・場所と分かち難く結び付けられています。そして、作者自身が、これらの“詩”は、
「厳密に事実のとほりに記録したもの」
だと、岩波書店主(岩波茂雄氏)あての手紙で主張しているのです。
もちろん、中也は、『春と修羅』の作者が住んでいた岩手県に行ったことはありませんから、その場所を見なくとも読むのに支障がないことはまちがえありません。しかし、『春と修羅』の作品どれかをもとに論を立てるとなると、‥具体的に、作者
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