僕が『小説』を書くきっかけになった、とても小さな出来事 (短編小説)/yamadahifumi
になれる、というのもその未来の一つだ。だが現実は違った。気づけば僕は小説家になれず、新卒で就職する事もできず、ただのニートになっていた。そして僕は自堕落のままに、そのまま二年間もニートをし続けた。その間、僕はほとんど何もしていなかった。ただかろうじて少しだけ、何か書いたり読んだりはしていた。後は建設的な事は何もしていなかった。一切。
二年が過ぎて、僕は二十四になっていた。何かを決断しなければならない年だ。親も、もう来年からは金を送らないと僕に最後通告を出していた。…僕はしぶしぶ、仕事を始めた。といってもそれは正社員ではなくアルバイトで、近所のコンビニの夜勤だった。コンビニの夜勤は楽で、しか
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